特色
体育・スポーツの現場には,多くの運動問題が山積しています。例えば,〈どうやったら運動ができるようになるのか〉,〈どうすれば運動を上手に教えられるのか〉,〈よい動きにはどのような特徴が見られるのか〉,〈運動がうまくなっていく過程にはどのような段階が見られるのか〉,〈運動を指導する上で, どのようなときに, どのようなアドバイスを与えたらいいのか〉など, 例を挙げれば切りがありません。スポーツ運動学研究室は,これらの問題に対して運動の一般理論という立場からアプローチしていきます。
とりわけスポーツ運動学研究室では,現象学的人間学の立場から身体知の問題にスポットを当て,体育・スポーツの実践的問題の解決を目指します。なおそのような実践的問題には,〈できていた運動が突然できなくなる〉といった「動感消滅現象(イップス)」なども含まれます。
体育・スポーツにおける運動の学習や指導に関する問題や競技におけるパフォーマンス向上に関する問題に強い関心をもつ学生,また専門種目の技能向上に日々努力している学生を歓迎いたします。
教育内容
「運動の形態発生論」,「運動質論」,「運動の学習位相論」,「運動発達論」,「運動技術論」, 「運動観察論」, 「運動伝承論」などをはじめとして,身体知をめぐる問題やその研究方法である現象学的研究法について学習し,実践現場の問題を解決するための素養を身につけることを目指します。
とくに演習では,専門文献を丁寧かつ精確に読み解くなかで,スポーツ運動学の方法論やその研究方法,専門用語についての理解を深めていきます。
スポーツ運動学の基本文献としては,『スポーツ運動学』(マイネル著),『わざの伝承』『身体知の形成 上・下』『身体知の構造』『スポーツ運動学』『運動感覚の深層』『わざ伝承の道しるべ』(以上,金子明友著)などを挙げることができます。またスポーツ運動学の入門書としては『スポーツ運動学入門』(金子一秀著)や『コツとカンの運動学』(日本スポーツ運動学会編)などがあります。
これら文献を参考にしながら,体育・スポーツにおける運動の学習や指導に関わる実践的な問題をテーマとして取り上げて卒業論文を書き上げられるように指導していきます。
指導教員
代表・中村 剛 教授
新竹 優子 助教