特色
体育・スポーツのもつ今日的意義や文化的意味について、歴史学、文化人類学的視点を通じて探求します。歴史学的な観点では、古代社会に遡って体育・スポーツの起源を探求し、それが近現代にいたる過程でどのような変化・発展を遂げたのかを学びます。オリンピックやワールドカップなどの国際スポーツとともに、特定の地域に受け継がれる伝統種目(民族スポーツ)も研究の対象です。
また、スポーツ開発人類学では、体育やスポーツを通じた国内外の開発課題の解決法を探求し、様々な国や地域で体育・スポーツの発展や社会開発に寄与する取り組みを探求します。留学や海外での経験を積みながら体育・スポーツの社会への関わりの大切さを体得し、国内外の社会貢献分野で活躍する先輩も多くいます。
教育内容
【講義】
「体育・スポーツ人類学」(2年次)、「スポーツを通じた国際開発」(2~3年次)「オリンピック教育」(4年次)が開設されており,歴史を学びつつ,理論的な学びから実践的な展開へ結びつけられるような構成になっています。
【演習】
「体育史・スポーツ人類学演習」が用意されており、それぞれの学生の学術的関心をベースとしながら、担当教員とともに研究方法論を学びます。史学や人類学に留まらず、「スポーツを通じた開発」に関するトピックについても取り扱います。
【実践】
図書館・資料館等に残存する一次史料(文献・写真)の収集と分析、あるいは各地のスポーツイベントや祭りのフィールドワークを行います。また、博物館や体育ギャラリー展示制作(5C棟2階)、オリンピック・パラリンピックのレガシー調査などにも関わります。また、国際開発については、国際協力機構(JICA)やNGOなどの知見やネットワークを活用しながら、国内外での開発プログラムなどに関わります。
【卒論】
卒論のテーマは、歴史学、人類学、開発学、オリンピック学など多様です。昨今では、「戦前の日本における女子陸上競技の普及・発展に関する一考察」(歴史学)、「女性大学生アスリートの化粧行為に関する文化変容」(人類学)、「競技スポーツにおけるムスリムとクリスチャンの協働に関する研究」(開発学)などがあります。
【目標】
過去には本研究室にて、2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の時代考証を担いました。体育・スポーツの歴史や人類学を学ぶことで、体育・スポーツの価値や文化的意義を踏まえて未来を創造し、社会に貢献する楽しさを修得してほしいと願っています。
指導教員
山口 拓 助教 (スポーツ開発人類学・スポーツ国際開発学:東南アジアのスポーツの文化)
大林 太朗 助教 (体育史学・スポーツ人類学、オリンピック・ムーブメント論)