特色
東京2020パラリンピック開催を契機に、本領域を取り巻く環境の変化や社会からの注目度の高まりは加速した。障がいのある人は全国に約936万人、国民の7.4%は何らかの障害があることを示している。また、少子化にともない義務教育段階の全児童生徒数は減少しているが特別支援教育対象児童・生徒の割合は増加しており、通常の学級に在籍する約6%は特別支援が必要な児童生徒であるとも言われている。このように、障がいのある人は身近な存在であるにも関わらず社会の理解は十分ではない。
教育の現場は特別支援教育としてインクルージョンへ動き出した。学齢期に6%程度存在するといわれる特別支援が必要な子どもたち、そして共に学ぶ子どもたちに体育・スポーツの専門家としてできることは何だろうか?どのような「障害」があっても、その人にあった体育・スポーツ活動(アダプテッド・スポーツ)を展開することで、さまざまなチャレンジができる。社会や人との交流ができる。
本研究室ではそのような社会的背景に応えるべく、「障害」を通したレンズから社会を捉え、研究を行い、実践にフィードバックしていく。
教育内容
本研究室では、障がいのある人とできるだけ直接接することにより、その活動を通して学ぶことを重視している。なぜならば、同じ障害でも「人」に関する問題であるので、一般的に語られている「障害」の内容と異なることが多々あるからである。
授業では、障がいのある人のスポーツ、教育、福祉に関する基本的な内容を学ぶとともに、研究室が関わる「つくりんピック」や「たいそう教室」「MDC:Movement Development Clinic」など、障がいのある子どもや成人とのスポーツ交流を通して、座学で得た知識を実践的なものにしていく。
卒業研究は、教育、スポーツ指導、福祉、発達支援の分野から各自が興味を持った内容に関して取り組む。最近はパラリンピックやパラスポーツ、デフスポーツ、アダプテッド、インクルーシブや集団形成に関するテーマが多い。卒業生は保健体育の教員、特別支援学校の教員、一般企業、パラスポーツ指導者・コーチ、アスリート、障害者スポーツセンター指導員、福祉関連企業、自治体やその外郭団体職員、大学院進学を経て大学教員や研究員として活躍している。
指導教員
代表・齊藤 まゆみ 准教
saito.mayumi.gp@u.tsukuba.ac.jp
澤江 幸則 准教授
sawae.yukinori.ka@u.tsukuba.ac.jp
永田 真一 助教
nagata.shinichi.gm@u.tsukuba.ac.jp
研究室ホームページ
http://ads-tsukuba.jimdofree.com